トムとジェリーの歴史|初期短編シリーズ|ハンナ・バーベラ期の共闘編

今もなお世界中で愛されているカートゥーン「トムとジェリー」

猫のトムがネズミのジェリーを追いかけまわし、ジェリーもまたトムから逃げるために知恵を巡らせることでおなじみ、今もなお新作が作られるほど愛されている名作。

トムとジェリーの2匹は基本争っているか追いかけっこを繰り広げているのですが、まれに手を組んで一時的に協力関係になる回が存在するのはご存じでしょうか?

今回は、トムとジェリーの短編シリーズの中で初期かつ最も有名ないわゆる「ハンナ・バーベラ期」の作品の中で、トムとジェリーの共闘がメインの作品を5つ紹介したいと思います。

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共同作戦(原題:Dog Trouble)

まず紹介するのは「共同作戦」です。

シリーズ5作目で、トムとジェリーが手を組んだ初めての作品。

同時にブルドッグのスパイクが初登場した回(ただしこの時点ではまだ名前はない)でもあり、ここではトムだけでなくジェリーも追いかけまわしています。

いつものように追いかけっこを繰り広げるトムとジェリーですが、お昼寝中のブルドッグをうっかり起こしてしまったことで怒らせてしまい、追いかけまわされる。

そこでトムとジェリーは一時休戦、初めて手を組むことを決意し、チームワークでブルドッグを家から追い払うことに成功する、というストーリーです。

本当に追いつ追われつの関係なのかと疑いたくなるほどの見事な連携プレーを見せるトムジェリコンビですが、初めて協力関係になったこの回でも遺憾なくそのチームプレイを発揮していましたね。

最後はトムの尻尾がネズミ捕りに挟まってしまい、その犯人がジェリーじゃないかと疑ってやっぱりいつもの通りの追いかけっこに戻るというオチで、日本語版の主題歌より「仲良く喧嘩しな」というフレーズをよく表していて好きです。

淋しがりや(原題:The Lonesome Mouse)

2つ目は「淋しがりや」です。

いたずらを仕掛けトムを家の外へ追い出すことに成功したジェリー。 宿敵トムのいなくなったジェリーはトムの似顔絵にラクガキしたり枕の羽毛を飛ばしたりと好き放題遊んですごした。

だが、トムのいない家で自由に暮らすうちにだんだんと淋しさが募っていく。 そこでジェリーは(ナレーターとの会話で)トムとの追いかけっこする日々が一番幸せだと気付く。

ジェリーはトムに一時休戦を申し込み、再び家に入れてもらうための共同作戦を開始する…といったストーリーです。

この回ではトムが再び家に入れてもらうためにジェリーを捕まえる演技をするのですが、ジェリーが変顔連発してお手伝いさんをおどかしたり、カーテンの陰に隠れて手遊びしたり、調理器具でセッションしたりと、終始ノリノリで楽しそうなのがすごく笑えるんですよね。

で、2匹の作戦通りトムは無事愛しの我が家に再び迎え入れられた。 お手伝いさんがジェリー退治を成功させた(嘘だが)お礼にパイをごちそうしてくれた。

そしてそれに気づいたジェリーもパイをいただこうとするが、トムはこれを拒否しひとりじめしようとする。

自分のおかげで家に戻れたのに、その恩を仇で返す態度をとるトムに激怒したジェリーは、彼の尻を思いっきり蹴り飛ばす、というオチで終わります。

強敵あらわる(原題:Old Rockin’ Chair Tom)

3つ目は「強敵あらわる」です。

例によって例のごとく家の中で追いかけっこを繰り広げるトムとジェリー。 しかし今回もジェリーの圧勝に終わってしまった。

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そんなトムの不甲斐ない体たらくに業を煮やしたお手伝いさんは、新たな猫としてイナズマを迎え入れる。

イナズマはその名の通りの俊敏さでジェリーをあっという間に捕まえ、トムとの実力の差を見せつける。

が、誠実な飼い猫の姿は表向きの姿。 その本性は、主人のいない隙に冷蔵庫の中身を食い漁り、そしてそれがばれそうになるとトムにその責任を擦り付ける性悪クズネコだったのだ。

イナズマによって家を追い出されたトムジェリコンビは、彼に一矢報いるべく同盟を結ぶのだった…

トムとジェリーが共闘する回の中で私が特に好きなのがこの話で、トムジェリ特有のドタバタ劇はそのままに2匹がしっかり連携し強敵イナズマを出し抜きトムを家に戻すことに成功するところは見ていて爽快ですしスカッとしました。

最後はお手伝いさんからお詫びの印としてパイを貰うのですが、先ほどの「淋しがりや」とは違い協力してくれたジェリーにもちゃんとおすそ分けしてあげているところも好きです。

可愛い子猫と思ったら(原題:Triplet Trouble)

4つ目は「可愛い子猫と思ったら」です。

トムの住む家に3匹の子猫がやってきた。

子猫たちはまるで天使のようにかわいく、トムの飼い主もあっという間にメロメロに。

だがこの子猫たち、本性は悪魔のごとく性悪な悪ガキで、そのかわいさで周囲を騙しつつトムとジェリーにいたずらを仕掛けていた。

3匹の小悪魔に散々振り回されたトムとジェリーの名コンビは、倍返しをするべく大胆な作戦を決行するのだった…

見た目はかわいいけどその可愛さを悪用して悪さを働くキャラクターは今も昔もたくさんいますが、この人気アニメの世界でも好き勝手悪さした挙句トムとジェリーの連係プレイでしっかりお仕置きされていました。

余談ですが、ラストでお尻ぺんぺんされるシーン、よく見るとオレンジの猫が1匹増えており、トムジェリで有名な作画ミスの1つです。

赤ちゃんは楽だね(原題:Busy Buddies)

最後に紹介するのは「赤ちゃんは楽だね」 トムとジェリーシリーズの記念すべき100作目となります。

トムを飼っている白人の夫婦が顔出しで登場した初めての回で、2人の赤ちゃんがそこらじゅうを動き回り、トムとジェリーは赤ちゃんが危険な目に遭わないように連係プレーで守るというお話になっています。

今まで数多くの強敵に勝利してきたトムジェリコンビですが、この自由奔放すぎる赤ん坊には終始振り回されっぱなしで、初のコンビ敗北回となりました。 この赤ん坊、ある意味最強キャラなのでは…?

ちなみに、ハンナ・バーベラプロダクションが制作したシリーズの最終作である「赤ちゃんは知らん顔」は、本作のリメイクとなっています。 キャラの立ち位置や一部の展開が異なりますが、内容はおおむね同じ。

まとめ

以上、ハンナ・バーベラ期のトムとジェリー協力回を5つ紹介しました。

日本語版オリジナルOPテーマにも「仲良く喧嘩しな」というフレーズがあることからも分かるように、トムとジェリーは普段は喧嘩したり追いかけっこしたりしているが、共通の敵を見つければ一時休戦して共闘するし、どちらかが命の危機に瀕したら助けようとするし、その本質は「仲の良い喧嘩友達」なのかもしれません。

2021年に公開された実写映画版でも2匹が協力するシーンがあるとのことなので、機会があれば是非見てみたいものです。

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